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クリティカル・ソーシャルワークって...

 

ソーシャルワーク記録について考えている中で、あらためて「ソーシャルワークのグローバル定義」を丁寧に見返してみようとWebを検索したところで、クリティカル・ソーシャルワーク実践の理論的素描 田川 佳代子のリンクが目に留まりました。

 

何故、目に留まったか。

 

私は、自分の中で「クリティカル・ソーシャルワーク」という用語にどうもすっきりしない印象を抱いていました。それは、「改めてそんなことを言わなくても、ソーシャルワーク自体が、『環境の中の人』、つまり人と環境をターゲットにしていて、環境がクライエントによりよく応答していくようこれを変革することがそもそも実践に組み込まれているでしょ」と考えていたからです。

 

この論文を読んで意を強くした部分あり、また、理論と実践の往復(簡単には「自分のやってることって、つまりどういうこと?」と問うこと)の大事さを再確認しました。耳に痛い指摘もあって、読んで良かったと思える論文でした。

 

最近の医療改革において限られた医療資源の効率的分配を強力に推し進める施策の圧力の下、病院の医療ソーシャルワーカーの役割が患者のニーズを中心とする支援というよりは、病院組織の医療チームで選ばれた目標に貢献する役割が優先される。社会的・組織的状況に埋め込まれたなかで実践は規定される。医療チームの目標にそぐわないクライエントのニーズはどこにも誰にも受け止められることなく沈潜していく。しかし、クライエントのもつ問題は、クリニカルな臨床的諸問題といえども、それは極めてクリティカルな政治的諸問題でもある。個人の諸問題を私的な諸問題に帰して終わる相談援助ではなく、むしろ個人の主観的な現実を通してとらえ返される客観的事実としての社会的な諸問題を分析し、問題の解消を図るソーシャルワーク実践が必要とされている。

 

自分をクリティカルに観ていくこと。大事ですね。